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~本質を見極める~
こんにちばんわ、本社の吉野です。
突然ですが日常での会話、仕事上での会話、何気ない会話の中で表面上では成り立っているのに、実は本質は違うところにあるなんてことを感じることがありませんか。
「問題点を見極める」のが大事なことがよくわかる、有名なエピソードがあります。
ある古いオフィスビルで、テナントに入っている企業やビルの利用者から「エレベーターが遅い!」というクレームが増えて問題になっていました。エレベーターは2台あるのですが、どちらも制御システムが古くて、昇降スピードも遅いので、待ち時間が長いというクレームです。
さて、あなたがオーナーなら、この問題をどうやって解決するでしょうか?
まず思いつくのは、
・高層階用と低層階用に分ける
・最新の制御システムに取り換える
・エレベーターの台数を増やす
といった解決策でしょう。
このビルのオーナーも、専門家に調べてもらったところ、こうした解決策を提案されました。
しかし、いずれも費用がかかりすぎて、このビルの賃料収入ではムリでした。
その間もクレームはなくならず、困りはてたオーナーは部下にアイデアを出させます。
そして、そのアイデアを採用したところ、最小限の費用でクレームは1件もなくなりました。
いったいどんな方法をとったのでしょうか?
■「エレベーターが遅い」は問題の本質じゃない
その解決策は、「各階のエレベーターの前に大きな鏡をつける」でした。
エレベーターの前に鏡を設置してみると、待っている人は身だしなみや髪を整えたり、お化粧のチェックをしたりして、待ち時間が気にならなくなったそうです。その結果、クレームもなくなりました。
このエピソードのポイントは、オーナーにとって「問題の本質は何か」なんです。
問題の本質は「エレベーターが遅い」ことではありません。「クレームをなくす」ことだったのです。
だから、クレームさえなくなれば問題は解決するので、別にエレベーターが遅いままでもかまわないわけです。
実際、エレベーターの待ち時間はまったく同じなのに、鏡を設置したら誰も困らなくなったわけですからね。
もし、「エレベーターが遅い」ことが問題の本質だと思い込んでいたら、エレベーターを速くするために最新の制御システムに取り換えたり台数を増やしたりして、お金も時間もかかります。でも、そのわりに数十秒速くなっただけなら、体感的にはあまり待ち時間が変わらず、もしかしたらクレームは続いていたかもしれません。
その意味でも、問題点を見極めて、最小限のコストで利用者の不満を解消したこのエピソードは、見事です。
それだけ本質を見極めることが重要だ、という話でした。